「最後の方はね、私もそれに縋ってたような感じ。

触れられてる時は、愛されてるような気がして…ね。」


「そんな…。」


酷くない…?

酷過ぎるよね…。

一方的、過ぎるよ…。


私は茫然としながら、ソファで膝を抱え込む麻友理を見つめていた。


「それでね…。

それで…私…。」


一瞬、苦しそうに顔を歪ませ、麻友理は私に視線を向けた。


「…、私、ね。」


刹那、両手で顔を覆うと、突っ伏してしまう。


突如、――――。


悲鳴にも似た号泣が、静かだった部屋の空気を一変させた。



「…っ……わぁあああああああっっ!!」


「ま、麻友理っ!!」



慌てて、麻友理の元へ駆け寄ったけれど。

私はどうしたらいいのかわからず、立ち竦んでしまった。


「…、玲、……、どうしよう…。」


「何っ? どうした??」


「私…、私……。」


何だかとてつもなく恐ろしいことが起こりそうな気がして、ドクドクと心臓が早鐘を打つ。


「麻友理、深呼吸、して。

ね? 

ゆっくり、ゆっくり。」


私は自分にも言い聞かせるように、麻友理の手をぎゅっと握りしめ、背中を摩る。


「ど、どうした? 

ん、――??

ゆっくり、落ち着いたら、話してみて?」