「…っ、あの、…、梨花…?」


――――――!!


電話の向こうで、息を飲む、音。


「もしもしっ。

…玲っ、玲なの??」


「…うん。」


「…れ…い。」


梨花の声には、涙が混じっていた。


「…ずっとね…。
玲から連絡がくるの…、待ってたんだよ…。」


「ごめん……ね。」



ここから、――――。



わだかまりを残したまま、ずっと目を逸らしていた。


一番のよりどころだった、友達という存在。


初めて出来た、心を許せる友達を、私は自ら切ってしまったから。


許してもらおうとは、思ってない。

ただ、伝えたかった。

あの頃は、凄く楽しくて幸せだったって。

みんなと出会えて、本当に良かったって。


自分の素直な気持ちに、向き合ってみようと思ったんだ。


「梨花…、あのね…。」


あの頃の私から、逃げ出さない。


「…ごめっ…、ごめんねっ。」


もう、感情のコントロールが出来なくて。


「…っ、…っ、くぅ…。」


久し振りだというのに。

恥ずかしいのに、涙が止まらない。


「な、何で玲が謝るのっ。

謝るのは、私の方…。

ずっと、ずっと、謝りたかった……。

玲、――――。

連絡してきてくれて、感謝してるのは、私だよ…。」