…、私、頑張ったよね。


麻友理の前で、絶対、泣かなかったよ。


麻友理の前でなんて、絶対、泣きたくなかったから。



今日は、――――。


二人がこれから歩んでいく為の、その一歩となる踏み台だったんだね。



その踏み台になんか、私はなりたくない。


もうここから。


この渦のような中から、抜け出したい。



私から、―――――。



自分から、離れよう。


もう、終わらせよう…。


新しく、……。


新しく、人生を、やり直そう…よ…。



麻友理は、小さな爆弾を、少しずつ私に与えてきた。


ダメージは大きかったけど…、避けたものもあったよね。



泣きたくなかった。


逃げたくなかった。



最後は、…負けたくなかった。




私の、小さな、プライドだった。




誰とも話したくない。




誰とも会いたくないよ。




航太、―――――。




私の全てだった、人。




麻友理。




私の大切な、親友。





さようなら。





さようなら。





もう二度と、会うことは……、ないから。





唇を噛みしめながら、立ち上がる。




こんな思いをするのなら、……。




もう二度と、人を好きになんか、ならない。




私は、一人で、生きていく。