「……っ!!」
…こんな、こんな状況でも、
あなたはキスが、出来るんだね……。
それでも拒めない私は、
……、無力だ。
私は…
私は…
どうしていいのか、わからない。
「……んっ、……。」
離れなきゃ…。
必死に顔を背けて、―――。
体を離そうと押し返した。
だけど、航太は、……。
私の頭を押さえ込むと、深く、深く、キスをしようとする。
「…っ、こう、たっ……。」
「別れたくないんだ、―――。」
「…やめ、……。」
「玲、わかってくれるだろう?
愛してるんだ。」
「…いっ、やぁ…っ。」
「離れないよな?
ずっと一緒にいるって、約束しただろ?」
――――――!!
「どこにも行かないよな?
許すって、言ってくれるだろ?
……っ、
玲は、俺のものだ。
絶対、別れるもんかっ。」
「…っ、…!!」
航太の唇で、私の声はかき消される。
何を、言ってるの…?
許す……?
嫌だっ、―――。
嫌だっ、―――!!
航太は私を押し倒すと、動けないように体重をかけた。
呑み込まれそうになるのを、必死で抗いながら……。
私の中で、何かが壊れていくような、気がした。