駆り立てられるように、少しずつ熱を帯びだす私の身体。

そろりと、口内を這い回る航太の長い指に、思わず舌を絡めて。


一瞬、驚いたような顔を見せた航太は、

「…そんなこと、どこで覚えてきたの?」

と、意地悪そうに微笑んだ。


誘い出されるように、唇からはみ出した舌。

それを狙っていたかのように、航太の舌が掠め取る。


「んっ…。」


航太は、…キスが上手だ。

絡まり合った温かな舌が、ざわりと、動かされる度に、私の身体はビクンと反応してしまう。

そんな私の様子に、航太は満足そうに口角を上げて、耳元で囁いた。


「可愛いな、玲は。」


「んんっ、……。」


少し意気の上がった私を、そっと抱き寄せた。


「玲の反応が可愛くてさ…。」


「…え、…?」


「俺がいないと、玲は駄目なんだって…思いたい…。」


どういう意味なのか、よく…わかんないけれど。

私は…もう、航太じゃないと駄目だと…思う。


心の、奥深い所まで、航太は入り込んでいて。

航太がいないと、多分、何にも手につかないよ?


そんな弱くて、依存しているみたいなこと、面と向かって言えないけれど…。


「…私は、航太以外、考えられない…。」


「玲…?」


「航太がいてくれるから…頑張れる…。」


その、甘い、声―――。


その声で名前を呼ばれると、私はいつも満ち足りた気持ちになるんだよ。