「いいよ。ずっといる。
でも、航太、まだ会社休みじゃないでしょ?」


航太は私の額にかかった髪の毛を優しく撫でながら、そっと額にもキスを落とす。


「仕事、明日で終わるから。
だから、玲が帰るまで一緒にいよう。」


「うん。」


思いがけず航太とずっと一緒にいられることになって、頬が緩んでしまう。


「…なんだか、嬉しいな。」


へらっと、笑う私に、航太はクスリと笑いながら、

「…玲が、足りないんだ。」

と、少し切なげな視線を向けた。


「どういう、意味?」


「俺の中の玲が足りなくて、さ。」


「よくわかんないよ。」


「もっと一緒に、いたいってこと。」


航太はゆっくりと起き上がると、私の頬に、指をすーっと滑らせた。

長い指が唇に触れ、少しずつ口内へと侵入していく。


――――――!!


そんな、間近で見つめられたら…、もう。

昨日の熱い夜を思い出して、体中の血液が頬に集結したみたいに熱くなっていく。


「玲のこと、いつも持ち歩きたいな。」


「ポケットに入れて?」


「胸ポケットにね。」


甘い顔で見つめられたまま、額からこめかみに、そして瞳にと、キスが降りてきて。

あまりにもその仕草が優しくて、何故か泣きそうになってしまう。


ああ、やばい…。


どうしようもないくらい、航太が好き……。