「俺の為に泣かなくていいから。な?」
リュウが優しく声を掛けてくれる度に、それが胸に染みる。
「可愛い顔が台無しだぞ?ぷ、鼻水垂れてるし」
一番辛いのはリュウなのに
泣きたいのは、あたしじゃなくてリュウのはずなのに。
あたしの心配ばかりしてくれるリュウは、本当に優しい。
スウェットの裾であたしの涙と鼻水をゴシゴシ拭ったリュウは、最後にポンポンと優しく頭を撫でてくれた。
「ベッド行くぞ」
体がふわっと宙に浮いた。
リュウの整った顔がすぐそこにあって、お姫様抱っこされてるとすぐにわかった。
「ちょ…リュ……」
「いいから抱かれとけ」



