……あ……

 ありがとうありがとう! ありがとう精霊達! よくぞ納得してくれたわ!

「本当にありがとう! みんな!」

 ろくろ首にぶら下がりながら、あたしはお礼の言葉を叫ぶ。

 こんな格好で失礼だけど、ぜひ言わせて! あと、あの時襲い掛かっちゃってごめんなさい!

 ヴァニスも心からの謝意を彼らに伝え、精霊達もその言葉を丁重に受け取った。

「それじゃ、さっそく頼む。まずはノーム……」

「はい。わたしのなかまたちに、伝達をたのみました。すぐに精霊ぜんたいに、事情が通達されるはずです」

「じゃあ、水の精霊達には火災の鎮火と、怪我人の治療をお願いしましょう!」

 ついでに、あちこちで乱闘してる血の気の多いヤツらの頭に、水でもぶっかけといて!

「我の仲間も、鎮火と乱闘の収束に尽力するのが良しと思われね」

「わかった。では我ら風の精霊も、収束と治癒に手を貸そう」

「精霊よ、感謝する。きっともうすぐ城からの救助隊も派遣されるはずだ」

「兄弟達、頼むぞ! オレ達はこれから始祖の神降臨の場へ向かう!」

 ジンと風の精霊達は、互いを励まし合うように見詰め合う。

 もうこれで大丈夫だわ! 精霊達のお陰で被害は最小限に抑えられるはず。

「良かったわ。協力してくれて本当に良かった……」

 大きく息を吐き出しながら、そう言うのが精一杯。

 あたしの心は言い表せない感動で一杯だった。

「当たり前だろ?こんな事。さあオレ達も行くぞ!」

 ジン達の姿がスッと消えて、それを合図のように双頭の馬が走り出す。

 再びぐわんぐわんと上下左右の揺れに耐えながら、あたしは思いを巡らせた。