「その心配は無用と思われる。王に食人の嗜好は無かったはず」
「でも、ぜったい安心じゃないですよね!?」
「そうだ! 雫が食われたら大変だ!」
「いや、だから……」
なんでみんな、真面目にあたしが食べられる方向で議論してるわけ?
そりゃあたしだって、できれば狂王なんかに会いたくないけれど。でもさすがに食べられは……。
「とにかく却下! オレが許さない! 分かったな!?」
「……」
「雫! 返事はっっ!?」
「はぁい」
ジンの剣幕があまりにすごいもんで、あたしはおとなしく返事をした。
まあ、こっちの人間の風習なんて良く分からないし。もし本当に食人の習慣があったらシャレにならない。
ここはジンの言う通りにしておいた方が無難だわ。
あたしが素直に引っ込んだのを見て、ジンはようやく安心した顔になった。
「水の精霊同士なら、強く惹き合うはずだ。アグアが閉じ込められている場所を確認して、どんな状況かオレ達に教えてくれ」
「教えるって、どうやって伝達するの?」
「わたしが雫さんに一緒についていきます」
土の精霊が、ちいさな右手を上げた。
「わたしなら、ちかくの植物や土を通して、言葉をつたえられます」
「土の精霊は再生した身だ。長も、すぐには気配に気付かないだろう」
「雫は人間ゆえ、長も見逃すと思われ」
「この案が今のところ、一番確実だと思う。雫、頼めるか?」
「でも、ぜったい安心じゃないですよね!?」
「そうだ! 雫が食われたら大変だ!」
「いや、だから……」
なんでみんな、真面目にあたしが食べられる方向で議論してるわけ?
そりゃあたしだって、できれば狂王なんかに会いたくないけれど。でもさすがに食べられは……。
「とにかく却下! オレが許さない! 分かったな!?」
「……」
「雫! 返事はっっ!?」
「はぁい」
ジンの剣幕があまりにすごいもんで、あたしはおとなしく返事をした。
まあ、こっちの人間の風習なんて良く分からないし。もし本当に食人の習慣があったらシャレにならない。
ここはジンの言う通りにしておいた方が無難だわ。
あたしが素直に引っ込んだのを見て、ジンはようやく安心した顔になった。
「水の精霊同士なら、強く惹き合うはずだ。アグアが閉じ込められている場所を確認して、どんな状況かオレ達に教えてくれ」
「教えるって、どうやって伝達するの?」
「わたしが雫さんに一緒についていきます」
土の精霊が、ちいさな右手を上げた。
「わたしなら、ちかくの植物や土を通して、言葉をつたえられます」
「土の精霊は再生した身だ。長も、すぐには気配に気付かないだろう」
「雫は人間ゆえ、長も見逃すと思われ」
「この案が今のところ、一番確実だと思う。雫、頼めるか?」


