銀の精霊・森の狂王・時々、邪神

 だから我は、お前達と共に行く事を望む。

 自分のした事は自分の意思になる。逃げるも、言い訳も通用せぬ。

 ならば、己が本心から望む道を進みたい。

 でなければ、とても自分で責任などは負いきれぬ。

 自分の心から隠れたままでは、到底生きられぬ。

 アグアを救い出すこと。神達の窮地を救うこと。我ら精霊達を救うこと。

 それらの為に行動して、結果生じる責任ならば……。


「我は、逃げも隠れも言い訳もせず、喜んで全てを受け入れよう」

 火の精霊はハッキリと言い切った。

 その真紅の目に一切の迷いは無い。もう完全に彼の心は決まっているんだろう。

 それは、もちろん嬉しい。

 精霊同士で争うより、ひとりでも多く仲間になってくれた方がありがたい。

「でも火の精霊、大丈夫なの?」

「何がか?」

「仲間の火の精霊達の立場よ。あんたのせいで悪くなっちゃうんでしょう?」

「確かに」

「それでいいの? あんたも火の精霊の一員なのよ?」

「そうだ。だからだ」

「え?」

「我は、まさしく火の精霊なり」


 風の精霊は、言った。風の誇りは『自由』であると。

 無論、我ら火にも誇りがある。

『威風堂々』

 逃げはせぬ。隠れもせぬ。背は向けぬ。

 正々堂々、真っ直ぐに、信じる道を突き進むのみ。