「……!?」
あたしの声無き哂いは、ピタリと止まった。
「雫! 聞こえてるのか雫!?」
この声は……ジン!?
土砂降りの中、ジンが這うようにして、必死にこっちへ向かっている姿が目に飛び込んできた。
「ジン! 良かった無事だったのね!?」
夢中で駆け寄ったあたしに、ジンはズブ濡れの顔で怒鳴った。
「大丈夫じゃないのはお前だろうが! いま自分が、どんな顔してたか分かってるのか!?」
「あ、あたしは大丈夫よ! モネグロスも!」
「ぜんっぜん無事じゃないだろが! 見ろ!」
言われて振り向くと、モネグロスが気を失って地面に倒れている。
「……やだ! いつの間に!? あたしったら全然気がつかなかった!」
慌てるあたしを、ジンが再び大声で怒鳴りつける。
「怒りに囚われ、我を忘れやがって! まったくこれだから、使い慣れない力を持った人間は……!」
「なによ! そんなに怒鳴らなくてもいいでしょ!?」
「好きで怒鳴ってるんじゃない! 雨がうるさくて声が聞こえないんだよ!」
ひときわ大声でジンは叫んだ。
「もういい! この雨を止めろ!」
あたしは返事に詰まってしまった。
この雨を止める? だって雨を止めたら、火の精霊は……。
「あいつは、土の精霊と神の船を殺したのよ! その罰を与えなきゃならないわ! あいつを見過ごすわけにはいかない!」
あたしの声無き哂いは、ピタリと止まった。
「雫! 聞こえてるのか雫!?」
この声は……ジン!?
土砂降りの中、ジンが這うようにして、必死にこっちへ向かっている姿が目に飛び込んできた。
「ジン! 良かった無事だったのね!?」
夢中で駆け寄ったあたしに、ジンはズブ濡れの顔で怒鳴った。
「大丈夫じゃないのはお前だろうが! いま自分が、どんな顔してたか分かってるのか!?」
「あ、あたしは大丈夫よ! モネグロスも!」
「ぜんっぜん無事じゃないだろが! 見ろ!」
言われて振り向くと、モネグロスが気を失って地面に倒れている。
「……やだ! いつの間に!? あたしったら全然気がつかなかった!」
慌てるあたしを、ジンが再び大声で怒鳴りつける。
「怒りに囚われ、我を忘れやがって! まったくこれだから、使い慣れない力を持った人間は……!」
「なによ! そんなに怒鳴らなくてもいいでしょ!?」
「好きで怒鳴ってるんじゃない! 雨がうるさくて声が聞こえないんだよ!」
ひときわ大声でジンは叫んだ。
「もういい! この雨を止めろ!」
あたしは返事に詰まってしまった。
この雨を止める? だって雨を止めたら、火の精霊は……。
「あいつは、土の精霊と神の船を殺したのよ! その罰を与えなきゃならないわ! あいつを見過ごすわけにはいかない!」


