銀の精霊・森の狂王・時々、邪神

 おお、アグア。

 我が良き友よ……。

 私を、世界で最も美しいと讃えてくれたアグア。

 私を、誇りに思うと語ってくれたアグア。

 その賛美に応えるために、変わらぬ絆に報いるために、私は、遥かこの地まで迎えに来た。


 さあ、ここへおいで。私の背にお乗り。

 あの日のように、その唇で歌うように語っておくれ。

 その瞳で、優しく私を見つめておくれ。


 仲間と共に、砂漠へ帰ろう。

 黄金の砂、豊かな緑、眷属たちの笑い声の待つ、あの砂漠へ。

 吹き渡る自由な風。

 偉大なる神モネグロス。

 輝くほどに美しいアグア。

 何ひとつ欠けることの無い、あの黄金の海原へ。


 やっと……やっと帰れる。

 やっと、あの日に帰れる。

 孤独の中で夢に見続けた、このうえなく幸せだったあの日に。


 もう二度と離れはしない。

 迎えに来たのだよ。

 さあ……

 帰ろう。

 帰ろう。

 帰ろう。


 かけがえのない、私の……