ひとつ、ベッドの中

なんとなく後味の悪い思いを抱えながら家へ戻ると。


「早く食べちゃいなさい」


機嫌のほどはそこそこだと分かるお母さんが、珍しく夕食の準備をしていた。


少しトゲのある言い方をしながら、おかずの入ったお皿をテーブルの上に置く。


今では仕事命で朝はもちろん、帰りも遅くて滅多に食事は作らないが、たまにこういうことをしてくれる。


これでもお母さんの子。


こういう日が、人並みに嬉しかったりする。