ひとつ、ベッドの中

凌ちゃんは、目線を下げてどこかに向かって歩き出す。


着いたのは、キッチンカウンター脇の棚。


「凌ちゃ……」


内容と言葉が比例してないそれに、呼びかけた声も途中で消えてしまう。


なにも言えないままにその行動を目で追っていると、凌ちゃんが引き出しから取り出したのは、タバコだった。