ひとつ、ベッドの中

ここには、去年見た同じ光景が広がっていた。


我が子の成長に目頭を熱くする保護者。

一緒に記念写真を撮っている人も沢山いる。


でもそれを見ているあたしの気持ちは、去年感じたものとは随分違った。



お母さんは、式が終わったらすぐ仕事に戻ると言っていた。


卒業証書をもらって壇上を降りたとき、保護者席にいるお母さんと目が合った。


それだけで、十分だった。




「詩織」


あたしを呼ぶ声がした。