ひとつ、ベッドの中

「詩織が家に飛び込んできた日のこと、すごくよく覚えてる」


凌ちゃんの目が、懐かしさに揺れる。



「寒い夜に、裸足にパジャマ姿で泣きながら玄関に立ってた」




10年前の、あたし。

どうすることも出来なくて、逃げ込んだあの日。


「少し前の自分を見ているようだった」




だから、凌ちゃんは――