「多分……」 静けさの中に落とされた声。 あたしは顔をあげた。 「一番最初の記憶かもしれない」 視線を合わせないように、凌ちゃんは淡々と語る。 「母親が、包丁を手にしている姿が」 ……っ。 「そんな……」 一番最初の記憶がそんなに残酷なものだなんて。 悲惨、それ以外の言葉が見つからない。