「来たじゃん来たじゃん」


少し興奮気味に、千紗があたしの肩を叩く。


「えっ…」


不意に遠くに向けた視線は、背の高い凌ちゃんを一発で映した。



ズキン。


来てくれて嬉しいのに、目にした凌ちゃんに、心が痛む。


今すぐ話しかけたいのに、昨日の話が邪魔をして、あたしの足を鈍らせた。