「詩織、ちょっといいか……?」


思えば朝から様子がおかしかった宏太君。


お昼休みになった途端、あたしの手を取ってどこかに歩き出す。


凌ちゃんの様子も気になる中、突然の行動に戸惑いながらもあたしはついて行く。


屋上へ差し掛かる階段。


大きいすりガラスを通して、太陽の光が宏太君の顔を照らした。