ひとつ、ベッドの中

「……あたし……詩織だよ」


きっと香澄さんと間違えて――ー


「知ってる」


凌ちゃんは、低い声で小さく声を出した。


「……」


頭を抱えられて、シャツ1枚隔てた胸にぴったりとくっつけたあたしは、動くことも出来ない。



「詩織―?」


宏太君の声が、少し遠くなる。