ひとつ、ベッドの中

「……っ」



……違う。



宏太君の胸じゃなかった。



声を聞かなくても瞬時に気づいた。


それは、もう何年も慣れ親しんだ温もりだったから。




「……凌ちゃ……」




どうしてか、

あたしはよく知った胸に抱かれていた。