ひとつ、ベッドの中

「…悪い」


苦しげに出した声で、凌ちゃんは手を離してくれた。



そのまま、あたしの前から立ち去る。





意味が。


意味が分かんないよ。




白い腕にくっきり浮かび上がった凌ちゃんの手の痕をじっと見つめた。





凌ちゃんは、香澄さんの彼氏でしょ……?




どうして。


どうしてこんな曖昧な態度を取るの――?