「さっきから一人でよく喋るな。いつもこうなわけ?姉貴って」

「んー。黙っときゃモテるとは言われてるな」

「なによそれー」


笑いながら答えた凌ちゃんを、大げさに叩く香澄さん。


「もうっ!凌介の方こそ、下級生にモテたくてわざと留年したんじゃないかって噂も流れてるんだから」

「おいおい、マジ俺死にそーだったんですけど」

「まぁ……ね。あたしだって生きた心地しなかったっけ」

「姉貴なんてご飯も食べられなくて激ヤセしたしどうなるかと思ったぜ」

「どれだけ心配かけたの分かってる?」

「その分、ちゃんと償ってるだろ?」


上目づかいで見上げた香澄さんの頭を凌ちゃんが撫でた。