でもお姉さんの前では言えなくて、そんな葛藤を抱えながらしどろもどろになっているように見えた。


「へー、宏太もなかなかやるじゃない」


その意味が分からない香澄さんは、冷やかしにも似たような声を漏らす。


「なんだぁ、そっか~」


そして納得したように言いながら宏太君の部屋のドアを開けた香澄さんは、あたしたちを部屋の中へ促すようにして自分も入ってきた。