ひとつ、ベッドの中

宏太君の家は、立派なおうちだった。


お庭が綺麗に手入れされていて、それだけでも育ちが分かるような。


お母さんは出掛けていて留守らしい。



「お邪魔します」


玄関を一歩入ると、トイプードルが足にまとわりついてきた。


モカ色の、まだ幼犬のようだ。


「犬、平気?」

「うん!わぁ~可愛い!」


胸に抱えると、顔をぺろぺろなめられた。