気だるそうにひとりで廊下を歩いている大地はどことなく眠そうだ。 どうせ、夜更かししてゲームでもやってたんだろうな。 でも、ラッキー。今なら周りに人もいないし、早く渡しちゃおっと! そう思って私は、足早に廊下を進む。 …けど。 「……え?」 私は大地に話しかけられず、ピタリと固まってしまった。 …だって。 「永山先輩!これ…あの、受け取ってください!!」 「え?オレに…ありがとう」 ――大地が後輩らしき女の子からチョコをもらう姿が目に入ったから。