高校生のとき。
わたしには彼氏がいた。
松居幸宏、
それが彼の名前。
三年生の春に幸宏に好きだと告白されて、そこから冬まで、幸宏とは付き合っていた。
幸宏はどちらかというとハデなタイプで、クラスの人気者、女の子の友達も多かった。
幸宏は優しかったし、イベントだって盛り上げてくれた。
初めての彼氏。
いつだって優しくリードしてくれて、わたしは幸せだった。
愛されてるって思っていた。
あの日までは。
「幸宏、いつまであの子と付き合ってるつもりなの?」
センター試験が目前に迫っていた冬の寒い日。
冬実と一緒にカフェで勉強していたわたしは、幸宏、という名前に反応して顔をあげた。
そして、目を疑う光景を目の当たりにした。
幸宏と、他校の制服を着た知らない女の子が二人で親密そうに、わたしの席から少し離れた席に座っていた。



