恋の扉をこじあけろ




い や だ!




「離せっ!」



なんともかわいくない声をあげて、男の手を勢いよく振り払った。



男二人は、ぽかんとしてわたしを見ていて、冬実だけが手を額に当てて首を振っていた。


「ごめん冬実、わたし先に帰るね」


荷物を急いでかき集めて代金をテーブルに置くと、冬実があわてた声を出した。


「まって琴乃…」


「ほんとごめん。またね。今日はありがとう」


席を立ち、逃げるように店を出た。



こころ残りは冬実と、食べかけのパンケーキ。


だけどそれ以上に、わたしは男の人たちが嫌だった。