「明後日なら時間空いてるし、修理できるけど。明後日、病院に来れる?」
「…はい」
「それじゃ、待ってるから」
お願いします、とかなんとか言って電話を切ったんだと思う。
携帯を握りしめたまま心ここにあらずのわたしを見て、冬実がスプーンを咥えたままにやりと口角をあげた。
「楽しそうだね、琴乃」
ちらりと冬実を見て、恥ずかしくなりながらこくんと頷いた。
楽しいというか。
幸せである。
先生の素敵な声がまだ鼓膜に残っている。
優しい声色がわたしのこころをとろかしていく。
深い息を吐いた。
先生の声をちょっと聞いただけで、わたしはなぜか幸せになれる。
先生に会えて、よかった。



