その日の朝は、なかなか起きれなかった。
わたしは目覚ましを10分ごとにセットしていて、何回も目覚ましを止めることで徐々に目覚める。
三回目の目覚ましがなったとき、わたしは確かに右手を伸ばした。
だけど、何を思ったか、寝ぼけて左手に力をいれてしまった。
普通だったら、それで何の支障もない。
全然ない。
しかしそのとき、わたしは確かに聞いたのである。
ボキッという音を。
寝ぼけた頭で何の音か考えているうちに、だんだん血の気が引いていくのを感じた。
左手には、何か固いものの感触がある。
のっそりと起き上がっておそるおそる左手を開いてみると、スプリントが美しいくらい綺麗に、真っ二つに折れていた。
わたしの悲鳴が、朝の静かな家中に響きわたった。



