「見て。先生」
わたしはお弁当箱の中からおにぎりをひとつ手にとって、かぶりついた。
「あ」
的井先生はわたしの期待どおり、驚いた顔をしてくれた。
「ふふー。先生のおかげ!なんと開くようになりました」
松居先生の言っていたとおり、わたしの顎はもう開くようになっていた。
勇気を出して開けてみたら、ゆっくりだったら以前のように開けることができるようになった。
ずっとこの顎とつきあっていくことを覚悟していたのに、先生はわたしの楽しみを取り戻してくれた。
わたしを解放してくれた。
おにぎりを食べるわたしを、先生は嬉しそうに見てくれた。
先生が嬉しそうだと、わたしも嬉しい。



