「…牧原さん」
「う、うう、ぐす」
「痛い…」
「えっ?あ、ごごごめんなさい!」
先生の手首をずっと握りしめたままだったことに気づいて、あわてて先生の手を解放した。
いつのまにか思っていた以上に力を入れていたみたいだ。
「血が止まるかと思ったよ」
笑いながら手首を擦る先生に、もう大丈夫だと確信した。
いつもの先生の、素敵な笑顔。
「先生、わたしもっと先生と一緒にいたいです」
的井先生のこと、もっといっぱい知りたい。
嫌いなものとか好きなもの、苦手なこととか得意なこと。
泣き顔のまま微笑むと、先生は少しだけ赤くなったような気がする。
「俺も知りたい。牧原さんのこと」
でも、と先生は笑った。



