「冬実!わたしやったよ!」
喜び勇んで飛び跳ねながらそう告げると、冬実の不機嫌そうな声が返ってきた。
『あのね、私もうすぐ講義があるの。電話なんてしてられないから』
「先生、彼女いないって。もう、うっれしくて」
『え、どうしてわかったの。まさか聞いたの?』
「聞いちゃったのー。うっかりと。しかも次は、クリスマスに会えることになって」
『ちょっと待って。琴乃、今どこにいるの?』
「今?病院から出てきたとこだけど」
『大学まで戻って来てよ。話聞かせろ』
「え」
『学食で待ってるから。すぐ来てよ』
そこで電話は一方的に切れてしまった。
大学に戻って来いって。
ここから大学までは歩いてもすぐ着く距離だけど、冬実は今から講義があるんだと最初に言ってなかっただろうか。



