恋の扉をこじあけろ



「ない、です!ですからその日で大丈夫です」


「ないの?意外だな」


「冬実がデートに行ってしまいますので、予定はないです。…ま、的井先生はどこか行かれますか?」


どさくさに紛れて、ちょっとつっついてみた。

クリスマスに予定があるんだったら、彼女がいる可能性大。


わたしにとって辛い結果になる…


ドキドキしながら先生を見ると、先生は首を振りながら苦笑した。


「俺は昼間はここにいて、夜は川崎に呼ばれてる」


え、川崎さん?


「彼女さんじゃないんですか?」


すんなり聞いてしまった。


「俺、彼女いないし」


そうなんだ…、そうなんだ。


そうなんだ!


「的井先生、さみしいですねぇ」


「牧原さんに言われたくないよ」


お互いにクリスマスに異性の相手がいないことを笑いあう。



先生に彼女がいないとわかったことがうれしい。


遠慮せずに想うことができるから。


「それじゃあ、来月のクリスマスに。急に誘われたんで来れません、なんて電話受け付けないからな」


「そんなことありえませんから」


スキップでもしたい気分で病院をでるとすぐに冬実に電話をかけた。