先生が手袋をはずして、パソコンをいじりはじめた。
冬実に言われたとおり、この隙にさっと先生の手を確認する。
先生の薬指に、指輪はついていない。
しかし今は診察中。
今つけていないからといって普段もつけていないとは限らない。
胸のうちに生まれてきたもやもやに苦しんでいると、的井先生が声をあげた。
「お、クリスマスだよ牧原さん」
先生の後ろからパソコンを覗き込むと、次の予約日はちょうどクリスマスと重なっていた。
うわあ…、
なんか、うれしい。
月一しか会えないのに、まさかクリスマスという特別な日に先生にお目にかかれるなんて。
ツいてる、わたし!
心の中でガッツポーズをとったわたしに、的井先生がいらん気遣いをみせる。
「もしかして予定ある?あるんだったら別の日にしようか?」
うわわわ、待ってストップ!



