「それにしても、やっと気づいたかぁ。何?何で気づいたの?何がきっかけ?」
冬実は中身が少なくなったわたしのコップに麦茶を注ぎ足し、にやにやと楽しそうな表情で聞いてきた。
「それは…」
わたしはたっぷりと注がれた麦茶を受け取りながら、松居先生のことと、起こった出来事を説明した。
全部話を聞き終えると、冬実は目を見開いて叫んだ。
「あのイケメン、先生だったの?ていうか、自覚させる役目取られたなんて悔しー!」
冬実は麦茶を一気に仰ぎ、ドン、とテーブルの上に置いた。
「それで、なにが『助けて』なの?」
「あー、うん」
そうだった。
今日は助けを求めに来たんだった。
麦茶で喉を潤してから、口を開いた。
コップを両手を包み込んで、かわいい乙女のようなポーズで。
「実はね…、的井先生に恋してるって認めちゃってから、まともに先生のことがみられないの」



