冬実から何か言われるだろうと思ってしばらく目を瞑っていたのに、部屋はわたしが叫んだきり静まり返っていた。
あれ?
おそるおそる目を開くと、ぽかんと口を開いたまま、冬実は固まっているみたいだった。
わたしが冬実の様子に戸惑っていると、冬実の表情がみるみる変わっていった。
「もう!今さら何言ってるのよ!しっかりして!」
笑いながら、わたしの背中をバシバシ叩いてきた。
冬実はにやにやして、楽しそうなご様子である。
「い、今さら?」
「琴乃が的井先生に本当に恋してることぐらい、とっくにわかってたよ?」
どうやら彼女にはモロバレだったみたいで、恥ずかしくて顔が熱くなる。
当の本人よりも傍観している友人のほうが気づくのが早いだなんて。



