松居先生と食事をしてから、初めての大学病院の日。
一ヶ月に一回、的井先生に会える日。
的井先生に会える日を待ち焦がれていたはずなのに、診察室の前にいる的井先生の姿が目に入ると、どうしたらいいかわからなくなる。
手の位置はここでいいんだっけ?
髪型、変じゃないかな。
歩き方はおかしくないかな。
どんな顔、したらいいんだっけ…?
「こんにちは」
「こっ、こんにちは」
変に意識してしまって、ぎこちなくなる。
「牧原さん?」
的井先生が不思議そうにわたしを見ている。
先生と目があって、さっと下を向いた。
視線を感じるだけで顔に熱を感じてしまう。
だめだ、こりゃ。
どうしようもないもの。
俯いてしまったわたしを、的井先生は首を傾げながら診察台まで誘ってくれた。



