恋の扉をこじあけろ


わたしは目をぱちぱちさせた。



なんだ、そういうことか。


的井先生のライバルで、先生を蹴落とそうとたくらんでいるとかそういうことじゃなかったんだ。


わたしのはやとちり。


ああ、それにしても。


目の前で水を飲んでいる松居先生を、頬杖をついて見た。


少し目を伏せたときに見える睫毛は羨ましいくらいに長くて、顔のパーツひとつひとつが、見事に綺麗な形を形成している。

すらっと長い指がフォークを自在に操ると、思わず見惚れてしまいそうになる。

それくらい、

確かに松居先生はかっこいいけれども。


「どうして松居先生と食事?的井先生だったら、とびきりお洒落をしてきたのに!」


「開き直ったな、この野郎」


「もうなんか、ときめきが止まりません。松居先生のせいなんだから協力してくださいね」


めんどくさそうな顔になり、自覚させるんじゃなかったと舌うちする松居先生をよそに、お皿の上にひとつ残っていた鶏肉を、ぱくりと食べた。




うん、美味しい!