恋の扉をこじあけろ


いつも通り、わたしのアゴの調子を確かめる。


「とんだ邪魔が入ったけど、宿題をしなかった罰をしようかな」


「え?」


その話はもう終わったものだと油断していたから、わたしは顔を引きつらせた。


「宿題は、その、あんまり…んぐ」


「そのまましばらく開けていてください」


言い訳しようと開いたわたしの口に、的井先生は何かの器具を入れてどこかへ行ってしまった。

一人残されて、じわじわとくる顎の疲労を感じながら反省した。


ちゃんと宿題しよう。


そうしている間に的井先生が下顎のスプリントを手に戻ってきた。


「はい、お疲れ」


「ふうー」


器具がはずされるとすぐに頬を撫でまわして不快感を紛らわすと、先生はスプリントを差し出した。