「的井先生」
ひょっこりと、隣のブースから白衣の男性が顔を出した。
「ちょっといいですか、見て欲しいことが…」
その人と目があって、浮かれていた気持ちは一気に吹き飛んだ。
こ、こいつは…!
固まるわたしをよそに、彼は面白そうに口角をあげた。
「あれ、琴乃ちゃん。こんなところで奇遇だねぇ」
手をひらひら振ってくる、憎たらしい笑顔の男をわたしは知っている。
名前はそう…確か、タカノリとかいう…!
「松居先生。牧原さんとお知り合いで?」
的井先生がわたしの頭からゆっくり手を離しながら首を傾げた。
松居先生だと!?
わたしは目の前にいるタカノリを上から下まで眺めまわした。
「そんなに見つめられると照れるよ」
「見つめてません!」



