恋の扉をこじあけろ



「まあ、冗談はおいといて」


冗談だったんですか?

うっすら涙目になっちゃってるかもしれないわたしをどうしてくれるんですか?



「今日は下顎の型をとるからね」


取り出したのは、例の印象剤。


またあれかぁ…


結構苦しいんだよね…


内心うんざりしながら素直に口を開けると、注射器みたいな器具で下顎に塗り始めた。


そして前とおんなじ感じ。


ただ前と違ったのは、今度は型が気持ちがいいくらいすっぽりと抜けたことだった。


力はもちろん入れられたけど。


「この前は失敗したから、反省を活かして」


「先生も成長しましたね」


うるさいよ、とわたしの頭を小突き、型を持ってどこかに消えた。