「そ、そんなこと…」


慌てて否定する


「そんなことあるよ、いっつもつまんなそうな顔してる」


私は何も言えなかった
それに、男子からも女子からも好かれているクラスの人気者と話していること自体、信じられなかった。いくら、席が隣とはいえ…


「てゆーかさ、無視されてるっていうけど俺からすればさ、結局、お前が無視してるじゃん」


「私が無視…」


「そーだよ。反論したけりゃ言えばいいのに、いつもだんまり決め込んでさ、誰も近づくなオーラ出してる。お前だよ、好き嫌いしてるのは。お前が給食の時にいつもよけてるにんじんと一緒ってこと」


「そ、そんな、私だって…えっ?にんじんって…」


聞き返そうとしたら、揉めていた女子たちの声に遮られた


「ねえ、結局、誰の事が好きなのよ。ハッキリしてよ」


と、捲し立てる女子二人


私は吐き出しかけた言葉を飲んで
黙って様子を伺った