柔らかそうな髪がフワフワと、風になびく。 すごく、大人しそうだが、なぜかその女の回りには、優しい雰囲気が漂っている気がした。 少し近づけば、 ふわりと、甘い匂いが鼻をかすめる。 けど、 全然、不快に感じる甘ったるい匂いではなくて… なんだか、素直に良い匂いだと感じてしまった。 幼さを残した外見から、同い年だろうとタカをくくったオレは、 思わず、 『…あの、そこ邪魔なんですけど?』 そう言って、その女に話しかけていた。