『あぁ、サンキュー』




ニコリと、いつもは見せない柔らかい笑みを浮かべ、軽く手を振ると遥斗くんはサッサと、自分の練習へと戻っていく。





『…っ、遥くん!待ってよ』




少し悔しそうな表情を浮かべた乃愛ちゃんも遥斗くんの後に続いた。




すると、





『ふふっ、いい気味!北川くんの彼女は、優芽なんだから、小娘の入る隙間は、これっぽっちもないんだからねーだ!!』





『な、奈々ちゃん…』




さっきまで機嫌が悪そうに乃愛ちゃんを睨み付けていた奈々ちゃんも楽しそうにそう呟く。