奈々side


―――…



『はぁ…』



私は、窓の外を見つめながら、軽いため息をひとつこぼした。




季節は、秋真っ只中。




そして、もうすぐ学園祭の時期。




いつもなら、スッゴク楽しみではしゃいでいるはずのこの時期になぜため息をついているのかというと…





『奈々ちゃ〜ん、おはよ、何々?ため息なんかついちゃって、もしかして恋煩い?』




このおちゃらけた男、




溝口明宏のせい。