けど、 それも一瞬のこと。 …勘違いかな? そう思って、私が軽く首を傾げていると、 『…おい、何やってんだよ!…って、湊じゃねーか…』 いつの間にか、涼太が少し慌てたようにこちらに近づいてきて、目を見張った。 どうやら、私と奈々ちゃんが誰かに絡まれてると思ったらしい。 『あ、兄貴…わりぃ、練習遅れた』 …あ、兄貴…?