『…悪い、見るつもりはなかったんだけど…』 その声につれられ、私が振り向いた先にいたのは… 『…桐谷くん…』 同じ、バスケ部の1年生、桐谷湊。 確か、涼太先輩の弟だったっけ? 本当に申し訳なさそうにそう呟く桐谷くんを横目で軽く睨み付け、 『…どうせなら知らないふりしてくれればよかったのに』 吐き捨てるようにそう言い放った。