そして、 何も語らず、スタスタと歩いて行ってしまったのだった。 『…え、いいのかな…?』 少しかわいそうに思った私が、そう呟くと、 『いいの、あいつもこれでいろいろ懲りたでしょ?…ったく、後輩に手を出そうとするなんて思わなかったわ!』 寂しげに揺れる溝口くんの後ろ姿を見ながら、奈々ちゃんがそう言い放った。