その子がパタパタと教室を去っていくと、ようやく私もフーッと胸を撫で下ろす。 『優芽〜、ビビりすぎだよ』 『そうそう!相手は後輩なんだから、そんなに構えなくてもさ?』 亜衣子ちゃん、奈々ちゃんにそう言われ、私も曖昧に頷いた。 『でも、百武乃愛ちゃん…やっぱ、ダントツかわいいよな〜』 溝口くんが横でそう呟いた瞬間、 『お前は、優芽の気持ち考えろ、バカ!』 奈々ちゃんの蹴りが炸裂したのは言うまでもない。